窓は、部屋の見た目だけでなく、部屋の断熱性や湿度、防音や防犯など、家の生活環境に大きく関係する大切な要素です。
この記事は、窓やサッシのリフォームの内容とその費用相場について、また窓・サッシのリフォームの費用を抑えるためのポイントなどについても解説していきます。
目次
1. 窓・サッシのリフォーム費用の相場
窓の使い勝手が悪い、部屋の温度・湿度を改善したい、外からの騒音に対応したいと言った場合には、窓・サッシのリフォームを検討してみましょう。
窓・サッシにおいて代表的なリフォームとその費用について紹介します。
1.1. 内窓の設置
内窓とは、既存の窓の内側に設置するサッシのことで、「インナーサッシ」とも呼ばれます。
内窓があると断熱・防音効果が高く、費用的にも比較的手軽にできることから、人気のリフォームとなっています。
内窓の設置費用は、腰高窓やキッチンの小窓のような小さいサイズの内窓(小窓)であれば1ヶ所につき5万円から10万円程度、一般的な180×170cm以内の窓(中窓)なら10万円から15万円程度。
サイズの大きいもの(大窓)や、小さくても断熱性や遮熱性能が高いものになると20万円から30万円程度が目安になります。
1.2. カバー工法を使った窓ガラスの交換
窓サッシのリフォームには、「カバー工法」があります。
まず、今あるサッシの上から新しいサッシを被せるように取り付けるカバー工法。
リフォーム費用の相場は、それぞれ小窓で5万から10万円、中窓で10万から15万円、大窓で20万から30万円程度です。
カバー工法なら既存の窓枠を取り外す必要がないぶん工事の手間や費用を抑えることができますが、既存のサッシの上からサッシを取り付けるので、窓自体は小さくなるのがデメリットです。
1.3. サッシの交換
サッシにはアルミ、樹脂があり、それぞれの特徴や費用相場が異なります。
アルミサッシは、耐久性や防火性に優れており、その軽さと手頃さから一般的な住宅で広く利用されています。
しかし、熱伝導性が高く、外気温の影響を受けて室温を一定に保つのが難しいというデメリットがあります。
アルミサッシの価格は、一般的なもので数万〜10万円程度、高機能なもので10〜25万円程度です。
樹脂サッシは、気密性や断熱性に優れているため、寒冷地を中心に導入が進んでいます。
結露が生じにくく、カビやダニの発生も防げるというメリットがありますが、機能性が優れるぶん価格はやや高額となります。
樹脂サッシの価格は、数万〜20万円程度で、すべてが樹脂のものとアルミと樹脂を複合したものがあります。
2. 【目的別】窓リフォームの費用の相場を解説
続いて、窓リフォームにかかる費用相場を目的別に解説します。
2.1. 断熱や結露対策で窓をリフォームする場合
部屋の断熱性を高めて冷暖房効率をアップさせたり、結露対策のために室内の湿気を抑えるには、窓ガラスのリフォームが有効です。
選択する窓ガラスの機能や種類、大きさにもよっても変わりますが、窓ガラスの交換だけなら費用相場としては1箇所あたり15万〜20万円ほど。
内窓の増設リフォームならマンションで窓に結露が激しい住宅でもリフォームが可能で、中サイズの窓で1箇所あたり10万円〜18万円程度が費用の目安になります。
2.2. 防音対策で窓をリフォームする場合
防音対策で窓をリフォームする場合は、断熱性を高めるときと同じく窓ガラスの交換や内窓の設置が効果的です。
特に内窓を増設して二重窓にすると、防音効果は抜群です。
費用は10万円から15万円、大きなサイズの窓の場合は15万円から30万円程度になります。
窓ガラス自体を防音仕様のものに交換する場合は費用は5万円から15万円程度です。
格安で遮音機能付きの窓ガラスを提供しているリフォーム業者もあり、8万円以下で済む場合もあるので、費用を抑えたいときは探してみると良いでしょう。
2.3. 防犯のために窓をリフォームする場合
防犯対策で窓をリフォームする場合は内窓の設置や窓ガラスの交換、シャッター・雨戸の取り付けが効果的です。
内窓や二重窓のリフォームの費用は、機能によってやや幅がありますが、12万円から30万円前後となります。
窓ガラスを防犯タイプに交換する場合、費用は10万円から15万円程度です。
窓の交換は既製品なら1日もあれば工事が完了しますが、防犯ガラスはオーダーメイドになることが多いため、商品の納品に1週間以上の時間を要することもあります。
また、シャッターや雨戸は遮熱対策や台風などの激しい風雨対策はもちろんのこと、空き巣などの防犯面でも効果的です。
シャッターや雨戸のリフォーム工事費は窓1ヶ所につき、18万円から25万円前後。
工事は1日で終わることがほとんどであり、プライバシーの確保や外部からの視線の遮断にも役立ちます。
ただし、2階以上の場合は外からの工事となり足場代がさらに10万円から20万円前後かかることがあるので、考慮しておく必要があります。
3. 窓のリフォーム費用を安くする3つのポイント
窓リフォームの費用を抑えるには、以下の3つのポイントに注意することが大切です。
3.1. 補助金および減税制度を使う
窓のリフォーム費用を抑える方法として、補助金や減税制度の活用を検討してみましょう。
例えば、高性能建材による住宅へのリフォームを対象とした断熱リフォーム支援事業(SII補助金)。
この支援事業は、補助金の額が一番大きな国の支援事業であり、断熱効果を高めるための内窓工事、真空ガラス工事、アルミサッシ交換工事などに対して、費用の3割、上限15万円までの補助を受けることができます。
また、一定の断熱効果を高めるリフォームを行うと、省エネリフォーム減税が適用され、所得税の減税を受けることが可能です。
そのほか、自治体ごとに適用できる補助金制度があることも多いので、各自治体のWebサイトや窓口で確認してみると良いでしょう。
それぞれに工事の内容や居住年数などいろいろな条件があるので、リフォーム業者が相談を受けてくれる場合は相談してみるとスムーズかもしれません。
3.2. カバー工法を使う
窓のリフォーム費用を安くするならカバー工法を選ぶと良いでしょう。
カバー工法は既存の窓サッシの上から新しいサッシをかぶせる方法です。
開口部が一回り小さくなるというデメリットはあるものの、壁を壊さずに窓を交換できるため、工事費用や日数を抑えることができます。
一般的にリフォーム費用はおおむね15万円くらいからが目安となります。
窓の大きさに強いこだわりがなく、費用を抑えたい場合は、できるだけカバー工法を選ぶようにしましょう。
3.3. 断熱目的でリフォームする場合は内窓を設置する
断熱目的でリフォームをする場合は、内窓の設置が安価で効果的です。
内窓のリフォーム工事には、窓枠と窓ガラスの費用がかかります。価格は内窓のサイズによって異なりますが、基本的には既存の窓と同じサイズの内窓を設置することが推奨されます。
窓のサイズごとの内窓の費用相場は下記の通りです。
- 小窓:5万円〜10万円
- 中窓:10万円〜15万円
- 大窓:20万円〜30万円
断熱性や遮熱性能が特に高いものになると、ここからさらに購入費用が乗ることになるので、求める機能や自宅の環境を踏まえて、お願いするリフォーム業者ともよく相談しましょう。
4. 窓のリフォーム費用は目的・サイズ・枚数によって変わる
断熱性や防犯、防音など、家の生活環境に大きく関わる窓。
リフォームをしたときにかかる費用は、目的やサイズ、工法によって変動します。
性能の高い窓を選んだり、工事のしにくい環境だったりすると、当然ながらその分費用は多くかかります。
信頼できそうな業者を見つけて、自分にとって必要な商品や工法をしっかり検討するようにしましょう。