外壁・屋根リフォームの費用相場を種類別に解説!注意点や費用を抑えるコツも紹介

 

外壁と屋根は一年を通じて外気や雨風などの厳しい条件下で立ち向かっている家の「顔」。
外壁・屋根のリフォームはそんな住まいを守っている重要な部分が劣化してしまうことを防ぐためのものです。

この記事では、外壁・屋根リフォームのパターン別に費用相場や費用を抑えるためのポイントを紹介しています。

 

 

 

1.外壁・屋根リフォームとは?

 

外壁・屋根リフォームとは、文字通り家の外壁や屋根を修繕、改修することを指します。

 

地域の気象条件や、建物の状況、使用されている塗料の種類などによっては、劣化が3~5年程度で始まることもあります。
特に屋根は紫外線による劣化で外壁よりも早く傷んでしまうため、注意が必要です。

また、新築から10年が経過したら、見た目に変化がないように思えても、外壁リフォームを検討し始めた方が良いタイミングとなります。

 

具体的には、壁にヒビが入っている、チョーキング現象(外壁を指で触った時に白い粉がつく)が起こっている、塗装が剥がれてしまっているといった状態が外壁リフォームを検討するサインです。

 

外壁・屋根リフォームを「見た目が悪いだけでそれほど重要ではない」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実はそれだけが理由ではありません。

外壁・屋根リフォームが必要な理由は主に以下の3つです。

 

防水性を高める

新築時には外壁塗装の防水性が高く、外部からの水分侵入を防いでくれます。しかし、経年劣化によって塗装が剥がれてくると防水機能が低下します。外壁・屋根リフォームにより防水性を回復し、雨漏りや浸水を防ぎます。

 

大規模補修を回避する

外壁・屋根の劣化を長らく放置すると、雨漏りや腐食などの大きな問題が発生する可能性があります。このような大規模な修繕・修理には大きな費用がかかるため、早めのリフォームが重要です。

 

美観を維持する

外壁・屋根の劣化によって色あせや亀裂が発生すると、それが家全体のイメージを損ねてしまいます。外壁・屋根リフォームにより、住宅の美観を維持します。

 

つまり、外壁リフォームは家を長持ちさせるだけでなく、快適な住まいを保つためにも重要なのです。

 

2.外壁リフォームの費用相場

 

外壁・屋根リフォームには大まかに「塗装」「重ね張り」「張り替え」の3つの種類があります。

一般的には塗装・重ね張り・張り替えの順に費用が高くなりますが、費用相場は150万円〜500万円と、それぞれの工事内容によって費用が大きく異なります。
それぞれの具体的な費用相場について見ていきましょう。

 

2.1.外壁・屋根塗装の費用相場


外壁・屋根塗装は、専用の塗料を使用して外壁・屋根を塗り直す工事で、最も一般的な外壁・屋根リフォームと言えます。

工事をする外壁・屋根の総面積や、塗料の種類、耐用年数によって価格が変動しますが、塗装前には高圧洗浄や補修工事を行い、足場も設置する必要があります。

これらを含めて外壁・屋根塗装の費用相場は、40坪の住宅の場合で100万円〜200万円となります。
塗り替えの目安は10年に1度とされています。

 

外壁・屋根の塗膜が劣化しているものの、下地となる外壁材はまだ十分な耐久性を保っている場合には、外壁・屋根塗装工事が適しています。

 

2.2.外壁・屋根の重ね張りの費用相場


外壁・屋根材自体も劣化している場合や、幅の広いひび割れや破損がある場合は、塗装ではなく外壁・屋根の重ね張り(外壁カバー工法とも呼ばれます)リフォームが適しています。

既存の・屋根を残して工事を行うため、外壁・屋根の張り替え工事に比べて解体・撤去費用を抑えられます。
この工法では新築時とほぼ同じ見た目と機能を取り戻せますが、新しい下地や外壁材を追加した分の厚みが増すため、窓サッシなどの開口部が工事前より埋まったり、家の存在感・圧迫感が増すことがあることに注意が必要です。

費用相場は150万円〜300万円となります。

 

2.3.外壁・屋根の張り替えの費用相場


外壁・屋根の張り替えは、既存の外壁材を全て撤去して骨格だけの状態にした後、新たに下地と外壁・屋根材を取り付ける方法です。
外壁・屋根にカビ・コケ・藻が広く発生していたり、外壁のクラックや破損からくる雨漏りが何カ所もある場合は外壁材の寿命であり、外壁・屋根の張り替え工事が必要になります。

既存の外壁・屋根の撤去作業があるため、作業日数が長く、費用も高額になります。費用相場は300万円〜500万円となります。
費用は高いですが、既存の外壁・屋根を剥がす際に内部の劣化を発見・補修することができるため、築年数が30〜40年以上経っている場合や、雨漏りを起こしたことのある家には特に張り替えがおすすめです。

 

3.外壁・屋根リフォームを行うタイミング

 

外壁・屋根リフォームを行うべきタイミングは、使用されている材料や現状の状態によりますが、一般的な目安として塗装工事は10年、外壁・屋根材の重ね張り・張り替え工事は20〜40年で必要になると言われています。

塗装工事のタイミングは、現在の外壁に使用されている塗料の種類によって異なります。具体的な塗料の種類とその耐用年数は次の通りです。

塗料の種類 耐用年数
アクリル樹脂系塗料 約5~8年
ウレタン樹脂系塗料 約8~10年
シリコン樹脂系塗料 約10~12年
ラジカル制御系塗料 約12~15年
フッ素樹脂系塗料 約15~20年

 

また、新築から20年以上リフォームをしていない場合は、外壁材の重ね張り・張り替え工事を検討するタイミングとなります。
主な外壁・屋根材の寿命は、早いもので約20年、遅いもので40年が目安となります。外壁・屋根材の種類とそれぞれの耐用年数は次の通りです。

 

外壁・屋根材の種類 耐用年数
モルタル 約30年
窯業系サイディング 20~40年
金属系サイディング 30~40年
木質系サイディング 20~30年
樹脂系サイディング 20~40年
タイル 40年以上
ALC 40年以上

現在の塗装、外壁・屋根材の素材を把握した上で、適切なタイミングでリフォームを検討しましょう。

 

4.外壁・屋根リフォームを実施するまでの流れ

 

外壁・屋根リフォームを実施するまでの具体的な流れを紹介します。

 

外壁・屋根の状態をチェック
最初のステップは現在の外壁のコンディションを確認することです。外壁のひび割れや塗膜(塗料の膜)の膨れや剥離、色褪せ、サイディングボードの継ぎ目に亀裂があるなど、外壁・屋根リフォームを行うべきサインが出ていないかチェックします。


現地調査

次に、業者による現地調査を依頼します。この段階で外壁・屋根の状態、素地、面積などを詳細にチェックし、それに基づくリフォームのプランを提案してもらいます。

 

見積検討・契約
提示されたプランと費用、そして担当者の対応などを考慮に入れて見積もりを検討します。契約書にある契約内容や図面、費用の支払い方法と時期、アフターフォローについては特によく確認することが大切です。

 

工事の挨拶
工事の開始前には、近隣の方々への挨拶が行われます。工事は騒音や振動、工事車両の出入りなどで近所に迷惑をかける可能性があるため、事前に説明と理解を得ることが必要です。

 

工事着工
工事が開始されます。工事中に何か不安や疑問があれば、遠慮なく担当者や職人さんに問い合わせましょう。

 

工事完了
工事が完了したら、自分の目でしっかりと確認します。工事に不備がないか、期待通りの結果になっているかを確認した上で、完工の認定をします。万が一、あとから不具合が見つかったときのために、保証やアフターフォローについても確認しておくと安心です。

 

特に塗装塗り替えや外壁重ね張り・張り替えは大きな工事となり、またコストもかかるため、事前の情報収集と確認が大切です。

 

5.外壁・屋根リフォームを行う際の3つの注意点

 

外壁・屋根リフォームは住まいの快適さや美観、さらには建物の耐久性に大きく影響します。
そのため、リフォームを失敗しないためには以下の3つの注意点を押さえておくことが重要です。

 

5.1.見積もりの内容が適切なのか確認


金額の安さだけで見積もりにGOサインを出してしまうのは危険です。
塗装の合計費用は、平方メートルあたりの施工単価に対し、作業を行う外壁・屋根の面積で決まるため、見積もりが適切なのかチェックが必要です。

 

特に材料の費用が「一式」などとあいまいに記載されている場合は注意が必要です。
契約に進む前に、希望や条件が漏れなく見積もりに反映されていることを必ず確認しましょう。

 

5.2.工事期間とアフターフォローを事前に把握する


外壁・屋根塗装では、一つでも工程を省略すると仕上がりに影響が出ます。
工事期間が短い場合は、必要な工程が省かれている可能性もあるため注意が必要です。

例えば、外壁・屋根塗装の工事は通常10~14日ほどの期間がかかります。この期間は、外壁の洗浄、下塗りと中塗り、上塗りの作業などを含みます。

工事期間が10日以内の場合は、洗浄を省略したり、塗装の回数を減らしているなどの可能性があります。
また、アフターフォローが充実している業者を選ぶことで、保証期間内にトラブルが発生したときには無償で補修してもらえます。

 

5.3.リフォーム業者は複数社を比較する


外壁・屋根リフォームを行う業者は、ハウスメーカー、工務店、ホームセンター、総合リフォーム会社、塗装業者など、様々な形態の会社が存在しますが、適正価格で正しい塗装工事をしてくれる業者を見極めるためには、複数の業者に見積もりを依頼し、提案されるリフォームプランを比較することが重要です。

 

3~5社の見積書を比較することで、工事費用の相場や、適切な塗料、必要な工事、不要な工事などの判断基準になります。それを元に、外壁の劣化箇所やそれに対する適切な工事内容を具体的に提示してくれる業者を選びましょう。

 

以上の3つの注意点を押さえながら、外壁リフォームに取り組むことで、長期的に安心して住むことができる快適な住まいを実現することができます。

 

6.外壁・屋根リフォームの費用を抑える2つのコツ

外壁・屋根リフォームの費用を抑えるためには、何より適切な準備と計画が必要です。ここでは、そのための2つのコツをご紹介します。

 

6.1.補助金を活用する


外壁・屋根リフォームには高額な費用が必要ですが、自治体の助成金・補助金制度を活用することで、その負担を軽減することが可能です。

省エネ性能や耐震性能を上げる工事に対して支給されるケースが多く、その額は約10〜20万円程度が一般的です。

 

また、自治体が実施している助成金・補助金制度は地元の会社を対象にしていることもあるため、地域で信頼できる施工会社を見つけることもポイントの一つです。

 

6.2.定期的にメンテナンスを行い、細かく補修する


外壁・屋根の劣化が進行すると、その修繕には大きな費用が発生します。
しかし、定期的にメンテナンスを行い、ヒビ割れや亀裂などの小さな損傷を早期に補修することで、大規模なリフォームを必要とする前に問題を解決し、長期的な費用を抑えることが可能となります。

その際、長寿命の塗料やコーキングを選ぶことで、メンテナンス周期を長くすることも重要です。

 

7.まとめ

 

外壁・屋根リフォームは、家の見た目を美しく保つだけでなく、住まいの耐久性を確保する上で重要な作業です。しかし、その費用は決して安くありません。

今回ご紹介した相場はあくまで目安であり、最適な選択は住宅の状況や予算によります。それぞれの状況を踏まえ、長期的な視点で最適な選択をすることが大切です。

 

定期的なメンテナンスと早期の小規模な補修を忘れずに行うことで、大きな問題を未然に防ぎ、住まいの高寿命化につなげることができます。あなたの住まいが美しく、長持ちするための、適切な外壁・屋根リフォームを選びましょう。

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