ガス給湯器 vs エコキュート、どっちがお得?

ガス給湯器 vs エコキュート、どっちがお得?

この記事では…

  • ガス給湯器とエコキュートの交換費用の相場がわかる!
  • 毎月の光熱費と10年間のトータルコストの差がわかる!
  • 設置スペースや災害時の違いから、わが家に合うタイプがわかる!

給湯器の交換時期が近づくと、「次もガス給湯器でいいのか、それとも光熱費が安いと聞くエコキュートにするべきか」と迷う方は多いのではないでしょうか。エコキュートは光熱費が安い一方で初期費用が高く、ガス給湯器は初期費用が安い一方で光熱費がかかります。どちらがお得かは、今お使いのガスの種類(都市ガス/LPガス)や設置スペースによって変わります。この記事では、費用・光熱費・10年間の総額、そして設置条件や使い勝手の違いまで整理して、わが家に合う給湯器の選び方を解説します。

1. 費用で比べる

※本記事の情報は2026年10月に確認したものです。光熱費は2025年12月時点の料金を使ったメーカー試算で、2026年10月時点の料金による試算ではありません。費用はすべて補助金を差し引く前の参考価格で、実際の金額は現地調査・見積もりで確定します。

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都市ガス給湯器
約94〜113万円
10年総額の試算例
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LPガス給湯器
約159〜178万円
10年総額の試算例
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エコキュート
約87〜110万円
10年総額の試算例

※比較期間を10年としたモデルケースです(フルオートタイプの参考価格+給湯光熱費の試算例10年分)。ガス給湯器はエコジョーズで計算。補助金を差し引く前の金額で、ガスからエコキュートへ切り替える場合の追加工事費は含みません。各家庭の支払総額を保証するものではありません。

→ 初期費用の内訳はこちら / 10年総額の計算はこちら

初期費用(本体+工事費)の相場

初期費用は、ガス給湯器の方が抑えやすく、エコキュートは初期費用が高くなる傾向があります。エコキュートは本体価格に加え、タンクを置く基礎や200Vの電気工事などが必要になるためです。差額は機種や工事条件によって異なります。

 
エコキュート設置風景

ガス給湯器(エコジョーズ)の交換費用

現在主流の省エネ型ガス給湯器「エコジョーズ」は、工事費込みの参考価格が機能によって約13〜40万円と幅があります。追いだきや自動保温などの機能が増えるほど価格が上がります。

タイプ 工事費込みの参考価格
給湯専用 約13〜25万円
オート(追いだき付き) 約17〜32万円
フルオート 約21〜40万円

※参考価格:ミツモア「エコジョーズの交換費用」(2025年4月16日更新)掲載の工事費込み相場。税込・税別、号数、リモコン・既存機器の撤去処分・ドレン排水工事の扱いは掲載元に記載がありません。実際の費用は現地調査・見積もりで確定します。

 

エコキュートの交換費用

エコキュートは、370Lの参考価格で約43〜70万円程度です。タンク容量が大きいほど、また付加機能が多い上位機種ほど高くなる傾向があります。

タイプ 参考価格
370L オート 約43〜60万円
370L フルオート 約47〜70万円
460L フルオート 約53〜80万円

※参考価格:JBCコラム(2026年1月18日公開)掲載のメーカー別価格(パナソニック・三菱・ダイキン・日立)の幅。掲載元では標準工事費を含むと説明されていますが、税込・税別、標準工事の範囲(基礎・電気・配管・撤去処分・リモコン)、ガス給湯器からの切り替えを想定しているかは記載がありません。実際の費用は現地調査・見積もりで確定します。

 

ガスからエコキュートへ切り替える場合

いまガス給湯器を使っている家でエコキュートに切り替える場合は、タンク用の基礎や200V回路などの工事が必要になることがあります。下の表は、そうした追加費用の一例です。切り替えに必要な追加工事費の総額ではありません。

工事の例 費用の一例
タンク用の基礎工事 約2〜5万円
200V専用回路・ブレーカー工事 約3〜6万円
上記2項目の合計 約5〜11万円

※出典:pricey「エコキュート交換の費用」(2026年4月2日更新)の工事費内訳。税込・税別の記載はありません。

このほか、給湯・追いだき配管の変更や延長、分電盤・引込設備の変更、ガス配管の閉栓・撤去、搬入条件などによって費用が増える場合があります。見積もりでは、これらが標準工事に含まれているか、二重に計上されていないかを確認しましょう。

毎月の光熱費(ランニングコスト)

 
毎月の光熱費

光熱費は、エコキュートが低くなる試算です。エコキュートは空気の熱を集めてお湯を沸かすヒートポンプの仕組みのため、少ない電気でお湯をつくれます。電気代は料金プランにも左右され、夜間単価が安いプランでは夜間に沸き上げる設定が一般的ですが、太陽光発電の電気を使って昼間に沸き上げる機種・設定もあります。とくにLPガス(プロパンガス)の家庭では、差が大きくなります。

給湯器 年間の光熱費 月あたり
従来型ガス給湯器(LPガス) 約164,000円 約13,700円
エコジョーズ(LPガス) 約138,000円 約11,500円
従来型ガス給湯器(都市ガス) 約90,000円 約7,500円
エコジョーズ(都市ガス) 約73,000円 約6,100円
エコキュート 約40,000円 約3,300円

※出典:三菱電機「給湯光熱費かんたんシミュレーション」(2026年10月確認)。試算条件:4人世帯、東京エリアの給水温度・外気温度、1日の給湯使用量460L(40℃換算)、エコキュートはSRT-P377UB。電気料金は2025年12月時点の東京電力エナジーパートナー「スマートライフL」(契約容量10kVA)、都市ガス料金は東京ガス、LPガス料金は石油情報センターの各2025年12月調査値。2026年10月時点の料金による試算ではありません。特定機種の試算例であり、ほかの機種で同じ光熱費になるとは限りません。月あたりは年間額を12で割った概算です。

この試算では、都市ガスのエコジョーズと比べて年間で約3.3万円、LPガスのエコジョーズと比べて年間で約9.8万円、エコキュートの方が安くなります。

10年間のトータルコスト

ガス給湯器もエコキュートも、点検や交換を検討する目安は10年前後とされています(寿命を保証するものではありません)。そこで、比較期間を10年とした場合の「初期費用+10年分の光熱費」をモデルケースとして比べてみます(いずれもフルオートタイプで計算)。

項目 エコジョーズ
(都市ガス)
エコジョーズ
(LPガス)
エコキュート
初期費用 約21〜40万円 約21〜40万円 約47〜70万円
光熱費10年分 約73万円 約138万円 約40万円
10年総額 約94〜113万円 約159〜178万円 約87〜110万円

※比較期間を10年としたモデルケースで、各家庭の支払総額を保証するものではありません。初期費用は前述の参考価格、光熱費は前の表の年間額×10年の概算です。エコキュートの光熱費はSRT-P377UBの試算例で、初期費用の価格帯に含まれるすべての機種が同じ省エネ性能とは限りません。補助金を差し引く前の金額で、料金改定・機器の劣化・修理費は含みません。

本記事の試算条件では、LPガスのエコジョーズよりエコキュートの10年総額が低くなります。ただし、導入費用・追加工事費・実際の料金・使用量・補助金などによって、差額や初期費用の回収期間は変わります。

都市ガスの場合も、試算例の金額だけで判断せず、実際の見積もりと家全体の光熱費で比較することが大切です。

試算に入らない費用に注意

上の光熱費は、給湯にかかる費用をメーカーの試算条件で比べたものです(ガスの基本料金も試算条件に記載されています)。実際の家計では、次の点で結果が変わることがあります。

① ガスコンロを残すと、ガス契約と基本料金は残る
エコキュートに替えてもガスコンロやガス衣類乾燥機を使い続ける場合、交換後もガスの契約と基本料金は残ります。基本料金は使用量区分・契約・地域・料金改定によって異なります。家計への影響を比べるときは、交換前と交換後の家全体の電気・ガス料金を、同じ条件にそろえて比較する必要があります。
② 電気料金プランによって電気代が変わる
エコキュートの電気代は、契約する料金プランに左右されます。夜間単価が安いプランは、昼間の単価が高めに設定されている場合があります。在宅時間が長く昼間に電気を多く使う家庭では、家全体の電気代が想定ほど下がらないこともあるため、プランごとの試算を確認しましょう。
③ 掲載した費用は補助金を差し引く前の金額
国の「給湯省エネ2026事業」では、対象のエコキュートに1台あたり基本額7万円、性能の加算要件を満たす場合は3万円加算の合計10万円が補助されます。登録製品であること、対象工事であること、登録事業者が申請することなどの条件があり、すべての機種・工事が対象になるわけではありません。予算や受付状況は給湯省エネ2026事業の公式サイトで確認してください。

2. 設置条件・使い勝手で比べる

設置スペース

費用以上に選択を左右しやすいのが設置スペースです。ガス給湯器は外壁に掛けられる機種が中心ですが、エコキュートは一般的には、貯湯タンクとヒートポンプユニットを屋外に設置します。

 
壁掛け型ガス給湯器

項目 ガス給湯器 エコキュート
設置する機器 本体1台 タンク+ヒートポンプユニット
大きさ 比較的コンパクト 角型タンクは高さ約1.8〜2.2m
設置方法 壁掛け・据置 基礎の上に据置

※タンク寸法は容量・機種によって異なります。角型では高さ約1.8〜2.2m程度の機種があり、本体寸法に加えて搬入・点検・配管のスペースも必要です。薄型・コンパクトタイプもあります。

隣家との間が狭い住宅や、マンションのベランダでは設置が難しいことが多いため、まずは設置予定場所の寸法を確認しましょう。

お湯の量と水圧

2つの給湯器は、お湯のつくり方が違います。この違いが「お湯切れ」と「シャワーの勢い」に表れます。

項目 ガス給湯器 エコキュート
お湯のつくり方 使う分だけその場で沸かす 沸かした湯をタンクに貯める
お湯切れ しない 使いすぎると起こる
シャワーの水圧 水道圧を利用して給湯 減圧式は弱めになりやすい

エコキュートは、タンクのお湯が足りなくなると「沸き増し」が必要になります。夜間単価が安い料金プランでは、昼間の沸き増しで費用が増える場合があります。来客が多い家庭や、家族が増える予定のある家庭は、余裕のあるタンク容量を選ぶことが大切です。

ガス給湯器は水道圧を利用して給湯します。ただし、シャワーの流量は配管・水栓・同時使用の状況・機器の能力によっても変わります。エコキュートは、一般的な減圧式では水圧を下げて給水するため、ガス給湯器から替えると勢いが弱く感じることがあります。一方で、高圧タイプや水道直圧給湯タイプの機種もあるため、2階に浴室がある家やシャワーの勢いを重視する方は、機種の給湯方式を確認しましょう。

停電・断水などの災害時

 
停電・断水で止まった屋外給湯器

ガス給湯器も運転に電気を使うため、停電中は使えません。エコキュートは、停電中と断水中で使える範囲が異なります。

状況 ガス給湯器 エコキュート
停電 使えない 沸き上げは不可出湯できる機種もある
断水 使えない 非常用取水栓から生活用水を取り出せる
ガスの停止 使えない 影響なし

※停電中の出湯は、断水していないこと・タンクにお湯が残っていることなどが条件で、対応しない機種もあります。給水ポンプの停止などで給水できない場合は出湯できないことがあります。タンク容量の全量を取り出せるわけではありません。

停電中はエコキュートの沸き上げなどの通常運転ができませんが、条件がそろえば蛇口やシャワーからお湯を使える機種があります。断水時は、タンクの非常用取水栓から生活用水として取り出せますが、通常の蛇口から使えるとは限りません。温度調節ができない場合や非常用取水の際は、高温のお湯によるやけどに注意し、取扱説明書に従ってください。タンクの水は飲み水には使えません。

運転音・寒さ・お湯の飲用

エコキュートを選ぶ場合は、次の3点も事前に知っておくと安心です。

  • 運転音:ヒートポンプユニットは、設定によって夜間に運転します。運転音・振動に配慮して寝室や隣家の窓付近を避け、メーカーの据付条件を確認して設置しましょう。
  • 寒さ:空気の熱を使う仕組みのため、気温が低い時期は効率が下がり電気代が上がる傾向があります。一般地向け・寒冷地向けのどちらを選ぶかは、設置場所の最低気温、機種の使用条件、凍結対策などで判断します。
  • お湯の飲用:タンク内の湯水は、そのままの飲用を避けてください。蛇口から出るお湯を飲用・調理に使えるかは給湯方式によって異なり、日立の水道直圧給湯タイプなどの例外があるため、メーカーの説明書と注意事項に従ってください。

一方、ガス給湯器(エコジョーズ)は、運転時に出る水(ドレン水)を流す排水先が必要です。交換時にはこの排水工事も含めて確認しましょう。

ガス給湯器とエコキュートの比較まとめ

ここまでの違いを1つの表にまとめます。

項目 ガス給湯器
(エコジョーズ)
エコキュート
初期費用 約21〜40万円 約47〜70万円
年間の光熱費 都市ガス約7.3万円
LPガス約13.8万円
約4.0万円
10年総額 都市ガス約94〜113万円
LPガス約159〜178万円
約87〜110万円
交換検討の目安 約10年 約10年
設置スペース 小さい 大きい
お湯切れ しない 起こりうる
水圧 水道圧を利用 減圧式は弱めになりやすい
断水時 使えない 非常用取水栓から生活用水

※初期費用はフルオートタイプの参考価格、光熱費は特定機種の試算例(4人世帯・東京エリア・2025年12月時点の料金)です。いずれも補助金を差し引く前の金額で、交換検討の目安は寿命の保証ではありません。

3. どっちを選ぶ?選び方のポイント

それぞれに向いている家庭

迷ったときは、「今使っているガスの種類」と「設置スペースがあるか」の2点から考えるとスムーズです。

エコキュート LPガスを使っていて毎月のガス代が高い家庭、戸建てで屋外にタンクを置く場所がある家庭、オール電化や太陽光発電を検討している家庭、災害時の生活用水も確保したい家庭
ガス給湯器
(エコジョーズ)
都市ガスを使っていてガスコンロも使い続けたい家庭、設置スペースが限られる住宅やマンション、故障してすぐに交換したい家庭、初期費用をできるだけ抑えたい家庭

交換前に確認しておきたいこと

ガス給湯器からエコキュートに切り替える場合は、とくに次の点を事前に確認しておくと、見積もりの比較や工事がスムーズです。

  • 設置予定場所の広さと、タンクを運び込む通路があるか
  • 分電盤に200Vの回路を増やせるか、電力の契約容量に余裕があるか
  • 今の毎月のガス代と電気代(検針票で確認できます)
  • ガスコンロ・ガス衣類乾燥機を今後も使うかどうか
  • 家族の人数と、今後の人数の変化(タンク容量選びに影響します)
  • 選ぶ機種が補助金の対象製品か、依頼先が登録事業者か

これらは現地調査で業者が確認する項目でもあります。わが家の場合にどちらがお得になるかは、実際のガス代・電気代と設置条件をもとに試算してもらうのが確実です。

もっと詳しく検討されたい方は、こちらからお気軽にお問合せください!

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4. よくある質問

Q&Aまとめ

Q電気代やガス代が値上がりしたら、どちらが有利になりますか?

A電気とガスの料金が同じ割合で値上がりした場合は、光熱費の金額が小さいエコキュートの方が値上がり額も小さくなる計算です。ただし電気とガスの料金はそれぞれ別の要因で変動するため、どちらか一方だけが大きく値上がりすると結果が変わることもあります。本記事の光熱費は2025年12月時点の料金による試算例で、2026年10月時点の料金を反映したものではありません。

Qマンションでもエコキュートにできますか?

A不可能ではありませんが、ハードルは高めです。タンクとヒートポンプユニットを置くスペースに加え、建物の構造や管理規約の制限があるため、多くのマンションではガス給湯器の交換が現実的です。マンション向けの薄型・コンパクト機種もあるので、まずは管理組合への確認と現地調査をおすすめします。

Q給湯器が急に壊れました。すぐに交換できるのはどちらですか?

A同じ場所・同じ種類の取り替えで済むことが多いため、一般的にはガス給湯器の方が早く交換しやすい傾向があります。エコキュートへの切り替えは、基礎や電気工事の準備、機種の手配が必要になるため、日数に余裕をもって検討するのが理想です。実際の工期は在庫や設置条件によって異なります。

Qガスと電気の「いいとこ取り」をした給湯器はありますか?

A「ハイブリッド給湯器」という選択肢があります。普段は電気のヒートポンプでお湯を沸かし、お湯が足りないときはガスで沸かす仕組みのため、お湯切れの心配が少ないのが特長です。小型タンクを採用する機種もありますが、必要スペースは機種・配置によって異なります。ガスコンロを使い続けたい家庭で、光熱費も下げたい場合の候補になります。

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執筆者

 

ナカノヤ

株式会社ナカノヤ Nakanoya Co., Ltd.
創業110年以上の歴史を誇る。
一般住宅のリフォームから設備工事を中心に官公庁の大型施設の新築・リニューアル工事まで手掛ける地元密着企業。
管工事、土木、建築、電気など、さまざまな国家資格取得者が在籍。
越谷・浦和・墨田・日本橋を中心にリフォーム工事は年間2500件以上。

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