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アルブル通信・感動エッセイ 2018年

2018年10月号「睡眠と食事をきちんと確保すれば、あとはどうにでもなる」

たとえば、眠さをこらえて仕事をしていると、かえって目が冴えてきて、頭の働きも鈍くなったような気持ちになることがあります。
 あるいは、疲れを感じたときに、強壮剤を飲んで、一時的に体力を回復させて仕事を続ける人も多いようです。
 どちらの場合も、疲れた体が元通りになったわけではありません。ですから、非常に危険な状態に
なっているのですが、その事実を軽く考えて無理を重ねる場合が少なくありません。過労死などは、こうした自分の身体への過信が招いた悲劇でしょう。
うつ病やパニック症候群も、身体を休めるべきときに休ませてやらないから発症することが多いとされています。
 ですから、時間が足りないというとき、単純に睡眠時間を削ったり、食事の時間を惜しんで一食抜いたりという時間の作り方は、賢いやり方ではありません。
仕事の効率も格段に落ちているのではないでしょうか。

 女優の黒柳徹子さんは、本業以外に、聾唖の方たちの劇団、デフシアターを応援したり、難民共済に飛び回ったりと八面六臂の活躍をしていますが、寝るのが大好きで、10時間以上寝てしまうことも珍しくないそうです。
 それで、よくあれだけの活躍ができると思う向きもあるかもしれません。
 しかし、私には、それだけの睡眠時間を確保していればこそ、それができるのだと思えます。
 睡眠不足からは、あの笑顔と元気のいい早口は生まれないでしょう。

 私も、どんなに忙しくても、睡眠時間を7時間は取っています。
 また、食べることは、何にも勝る楽しみですから、3食欠かしたことはありませんし、インスタント食品で間に合わせるなどもってのほかです。
 人が一生のうちに、ものをおいしく食べられる期間や回数がどのくらいかを考えれば一食でも疎かにしたくないという気持ちで、食の快楽をむさぼっています。
飽食の罪は「7つの大罪」の1つに入っていますが大食するのではなく食べることを楽しむのです。それが、いい仕事をするためのエネルギーになっているとすれば、仮に罪だったとしても少しは軽くなるというものです。
 勉強でも仕事でも、寝食を惜しんでやっていると、「やった!」という気持ちになることは確かです。非常に充実した時間を過ごしたような気分にもなるでしょう。
 しかし、その充実感の大きさの割には、大した量をこなせていないのが、現実です。徹夜で本を読んで、次の日に続きを読もうとしても、どこまで読んだのか覚えていません。
書き上げたはずの原稿も、内容のまずさに呆れることになります。
 それならば、早い時間に寝てしまって、翌朝早めに起きてやったほうが、心身ともにすっきりしていますから、能率も上がります。
 つまり、生活の基本となる部分ではがまんは禁物ということです。

 眠かったら寝るのが一番です。
 寝ただけで、頭や体をリフレッシュできて、仕事の能率が上がるのであれば、そのほうがよほど時間の節約になるのではないでしょうか。
 仕事というのは、時間をかければいい仕事ができるというものではありません。
 テレビなどで、一流の大工さんが露天風呂つきのロッジを建築する競技をするなどという番組が放映されることがあります。短期間で工夫を凝らした建築をする彼らを見ていますと、さすがプロを感心しています。
料理にしても、名人ほど仕事は素早くきれいに仕上げてくれます。ですから、時間をかけても仕上がりが悪いということの方が多いのかもしれません。
 もちろん、いい仕事をするのに時間を惜しんではいけないと思います。しかし、仕事のプロである以上、「もっと時間があれば、いい仕事ができた」という言い訳は通用しないのです。ですから、できるだけ短い時間でいい仕事をするのがプロの務めです。

 そういう意味で、寝食を疎かにして、仕事に取り組むというやり方は、プロのやり方ではありません。なかには、「忙しいから、ここのところ2、3日風呂にも入っていない」と得意そうに言う人もいます。あるいは、寝巻きのまま仕事をしている人もいます。それでは、生活のリズムは乱れるばかりでしょう。
 要するに、仕事にメリハリをつけることができないということを白状しているようなものです。
忙しいとは心を亡くすという意味です。心を亡くしていたのではいい仕事ができるはずがありません。

「忙しい」「時間がない」をやめる 9つの習慣
和田 秀樹 著
《アルブル部》前場 裕治 選

2018年10月号「睡眠と食事をきちんと確保すれば、あとはどうにでもなる」